私の愛するクライマー・森田勝を動画で観たい!!
ということで、77年の日本K2登山隊のドキュメンタリー映画『白き氷河の果てに』DVDを購入しました。
世界第二位の高さを誇るK2(8611m)に、日本人初登頂を果たした時のものです。
およそ16000人からなる巨大キャラバンで臨み、隊員は39人。
隊員全員が命を掛けて狙っていますが、登頂できるのはごく僅か。
8130mの最終キャンプ地点。
荷揚げやルート工作に率先して活躍していた森田が、二次アタック隊員に選ばれます。
が、体調不良を理由にベースキャンプへ下ってしまうんです。
映画の中では詳しく描かれてませんでしたが、本当の理由は一次隊に入らなかったことが気にくわなかったんですね。
「もう誰が何と言おうと、私の山は終わったということです。そこのところを理解してください。」
と、無線で必死に下山を止めるベースキャンプの隊長に答えたそうです。
山の為に職を転々として、極端な生活をしていた森田勝。
コンプレックスの塊だった彼が唯一力を注げたのが「私の山」
第二登だと意味が無かったんですね。
しかし、一次隊は悪天候に阻まれ失敗に終わり、森田の抜けた二次隊が初登頂を果たし、三次隊も登頂します。
その上、後ほど、隊長の思惑は、一次隊にラッセル(雪を掻き分けて進むこと)をさせて、2次隊が本命という噂まで浮上するんです。
真相は隊長にしか分りません・・・
が、二次隊・三次隊が下ってきた時、口惜しさ噛殺して彼はキャンプ1で「隊」の為に働いていたそうです。
後に彼は反省の言葉を述べていますが、あの時どんな気持ちだったんでしょう・・・
この日本K2登山隊、大学山岳部と違い、一時的な山男の寄せ集めの為、隊の繋がりが薄いんでしょうね。
「私の山」と「隊の山」は表裏一帯であって、組織ではほとんどの人が欲を隠して登っているのかと改めて思いました。
真っ直ぐ過ぎる森田勝のベースキャンプへ下ってくるシーンが、哀愁染みてて見るのが辛かったなぁ。。。何度も観たけど♪
この映画、キャンプ地や荷揚げの様子、氷河を見下ろす大絶景などの見所満載で、マニアは一度は目にすべき貴重な資料に思います。
森田勝に興味を持った人は『狼は帰らず』も読んでみて下さいね。
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